かるかんの命日・饒舌で優しかった3匹目の猫

かるかんの思い出

こんにちは、小人です。

昨日はかるかんの命日でした。
記事を公開する時には1日ずれて、一昨日になりますが。

夜叉を迎えてからかるかん、観世と加わった小人家の猫第一期生。
男の子2匹が去った後、紅一点だったかるかんは19歳まで生きてくれました。
初めての猫達で至らない事ばかりでしたが、しばしば彼らとの20年を思い出して、今一緒に暮らしている2匹との生活のヒントを貰ってます。

今日のこの記事はかるかんの思い出を書かせてください。

かるかんの別記事はこちら。宜しければどうぞ♫
▶️猫の多頭飼い 新入り猫の導入のしかた かるかんが来た!
▶️猫家庭が猫を預かる時 成猫の導入の失敗例


かるかんの命日・饒舌で優しかった3匹目の猫


夜叉の猫「かるかん」


秋生まれの夜叉と暮らしだして春がきた頃、夜叉のお友達としてもう1匹頂くことにしました。
夜叉のお母さん猫が好きだったし、夜叉にはもちろん惚れきってましたので、同じお母さんの子です。お腹が大きくなった時から楽しみにしていて、タマゴから出てきたのは夜叉に似たグレーの縞猫2匹と、鼻先と耳先がちょっと茶色い白い2匹。

ひょうぅ可愛いぃ〜(〃▽〃)

ヒマラヤンが憧れだったのでこの色に惚れ惚れ。なんとラッキー✨

「かるかん」と言っても、キャットフードの「カルカン」ではありませんよ。かるかんまんじゅうのかるかん、和菓子のかるかんです。白いから。
「うぐいす」にしようと思ったんですが、こちらの人々には呼びにくそうで、もし迷子になったりした時に発音が違いすぎると困るのではないかと思ったので「かるかん」になりました。

すやすやかるかん

不思議なポーズ8週間待って我が家へ引っ張り込んだ時、夜叉の8週間目よりなんとなく発育が遅いような気がしました。
関節が安定してないような気がするし、歩き方がちょっとふらふら。そしてガチャ目。ちょっと心配でした。

猫ミルク
猫ミルク好き
(今思うと、もう1−2週間お母さん猫に面倒を見てもらえば良かったのかも知れません。初心者で思いつきませんでした。。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。
ガチャ目は青い目の仔猫によくありますね。成長すると治るようです。)

夜叉もすぐ慣れて可愛がってくれました。
父性なのか性質なのか、やぱり寂しかったのか。
お気に入りの寝場所を譲ったり、ぴったりひっついて一緒に寝てはぺろぺろ舐めてあげる姿をよく見かけました。
夜叉(のため)の猫と思ってましたけれど、かるかんは夜叉が育ててくれたようなものです。


仔猫トレーニング中保父さん夜叉


マイペースで饒舌


正直に白状しますと、小人は夜叉びいきでした。
初猫だった夜叉への執着が強かったのは確かですが、今思えば、どの本にも書いてある「新入りが来たら、先住猫を立てましょう」という一言を正しく理解してなかったと思います。(。>ω<)
他の猫を可愛がったり遊んだりすると、夜叉がふっとあっちへ行ってしまい、暗い目つきでこちらを見ている…。みんなで一緒に遊ぶって、できないんですよね。夜叉の目を盗んで遊ぶ事もありましたが、結果的には他の猫達には遊ぶ事も甘えさせてあげる事も足りなかったと思います。

かるかんは夜叉で充満してたのか、適応力があったのか、諦めが良かったのか。さして自己主張をするでもなく、しつこくも冷たくもないマイペースで小人に合った距離を保っているようでした。

結構饒舌で、「に”ゃに”ゃッ!」と話しかけて来るので、真似して返事するとまた返事をくれて、しばらく「会話」が出来た事。
何が言いたいのかよく分かりませんでしたが、よく会話しました。

それと、ビニールのガムテープをくしゃくしゃっと丸めて放ると取って来てくれた事。猫で「とってこーい」遊びが出来るとは知りませんでした。
バスタブめがけて放ったりしました。これは夜叉が無関心だったのでやりやすかったのです。

植木鉢で安全対策
窓に植木鉢乗せると飛び乗らないので安心でした。

彼女の毛もちょっと「へええ」でした。
「猫っ毛」というくらいですから、猫の毛は柔らかいものと思ってましたが、かるかんは剛毛でミンクみたいな手触り。それもすごく量が多くて寝てる場所はすぐ真っ白。(^▽^;)
ありがたくもブラシは好きな方だったよう。ちょろちょろ動くんですが一緒に動きながら随分ブラシさせて貰えて、「収穫」が多くて楽しかったです。
今思えばとっておけば良かったなあ。なんで捨てちゃったんだろう。(。í _ ì。)
歳を取ってからは絡まって団子になって、解くのに苦労しました。

かるかんが守ってくれた…


一時期、夜叉が粗相をし続けて困ったことがありました。
粗相というか、トイレから外した位置またはトイレ付近に尿をするのです。

そのうちそれを片付けようとすると小人に飛びかかるようになり、ある時は着ていたパジャマのパンツを20cm裂かれ、足にも大きな傷ができました。
何故いきなりそうなったのか分からず、そして「例え猫」でも本気になったらかなり怖いのを目の当たりにして、本当に困りました。

ある日も床の尿を拭いた雑巾を洗面所で洗おうと思った時、興奮した夜叉が追いかけて来ました。ちょっとでも動けばまた襲われそうです。

どうしようと思ったその瞬間。

どこからかかるかんが駆けつけて、夜叉に向かって威嚇したのです。
すると夜叉は難無く落ち着いてくれるのでした。

付かず離れずで「共存」していたかるかんが、夜叉から小人を守ってくれたのには本当に驚きました。(:°言°)
何をどう説得してくれたのか分かりませんが、小人を「仲間」として認識してくれていたんですね。かるかんの目には小人は「守るべきもの」だったのでしょうか。
女の子ってこんなもの?!なんて優しく強い…(ノ_<。)

夜叉の粗相が解決した後年になっても、夜叉が「フーッ」と言おうものならすぐ駆けつけてくれました。
その頃には夜叉が怒るのは小人に足など踏まれたからで、かるかんにも夜叉にも申し訳なくて、落ち着くまで平謝りでしたが。(T▽T)

仲良しの猫
でも2人は仲良しでしたよ

お医者さんの意味、分かった?


仔猫の時はちょっと心配だったといえど、元気に育ってくれたかるかんですが、14歳の頃首に腫瘍が出来ました。
唾液腺に密着するように大きな腫瘍があって、かなり広範囲を摘出したそうです。頰から首にかけてぱっくり噛み取られたような大手術。しばらく棚の下に隠れていて辛そうでした。

その後の通院で気が付いたのは、手術前の時からキャリーに入れる時も道中も一言も文句を言わなくなった事です。
元々極端に苦労した事はありませんが、ここまで素直なのは初めて。水を抜いて頂いた時、余程楽になったのでしょうか。
それでお医者さんは「楽にして貰える場所」と思ったの?

小人ベッドは猫ベッド
小人ベッドは猫ベッド

おばあちゃん猫…


自宅点滴
生理食塩水を毎日点滴
夜叉が亡くなったのが17歳だったので、時折そろそろではないか…と不安に思っていましたが、意外と何もなく月日が過ぎて行きました。

2014年6月、後ろ足を片方引きずってたのでお医者さんに連れて行きました。
「骨折はしてないし、捻ったのでは?」との事でしたが、それより血圧が高いのが気になる。歳も歳だし腎臓と、それから不整脈もあるので検査になりました。多分殆ど目が見えてないと思うと言われてまたびっくり…。

老猫用スロープ
ソファに上がれるようスロープ
超音波や血液検査の結果が出るまでの約2週間、自宅で生理食塩水を点滴しましたが治療らしい治療も出来ないままどんどん元気が無くなっていくようでした。
隅っこに隠れているようになり、食べてくれるご飯も減っていきます。
投薬が始まっても大して元気になった気はしませんでした。

足を引きずりながら苦労してトイレに行きます。連れて行ってあげてもわざわざ出て入り直すので、自分で行きたいんですね。足に当て木をしてみたりして見守ることにしました。

毎晩一緒に寝てたベッドに登れなくなった時、せめてソファの乗り降りが出来るように、机の板でスロープを作ってあげました。始め要領が分からないのか登ってくれなかったけれど、朝方コトン、コトンという音がして目が覚めたら登ってくれていてすごく嬉しかった。

そのうちトイレまで間に合わなくなったのか、途中の床が濡れている事がありました。ペットシーツがあったら助かるのにと思ったけど、売ってないのです。

ペットシートの代用品
おねしょシートと医療用シート
医療器具の店にあるかと思いついて、行ってみたらありました。聞いてみたら薬局にもあったんですが、結構高い…。
困っていたら「ベビー洋品売り場にそういうの売ってるよ!おねしょシート!」と友達が教えてくれました。子供がいない小人には盲点でした。

しかし…。慣れなくて嫌なのか、敷物の上はいけないところと思うのか、わざわざ避けておしっこをします。
仕事に出かける時、「間に合わなかったら気にしなくていいけれど、もし出来たらシートの上にしてね」とお願いして出ると、帰宅した時シートの上でしてくれるようになりました。かるかん、言葉が分かるらしい?!

具合はどんどん悪くなるようで、しばらくするとソファが濡れるように。
あんなに自力でトイレに行くことにこだわってたのだから、気にしてるんではないかな…。そう思ってソファカバーの下にシートを敷きました。毎日カバーを洗う事になったってどうって事ありません。

薬は効いてるのか効いていないのか。
刻一刻と最期の時は近づいてきました。

もう本当にそろそろ…という晩、「かるかんには足をカジカジされた事がある」と言いながら、東京の兄がスカイプで楽器を演奏してくれました。
強い痛み止めを打っていたので、聞こえてたかは分かりませんが…あれだけ賢いかるかんですから、心は伝わったのではないかと思います。

翌朝の8月16日早朝、息を引き取りました。
猫の19歳って、人間の100歳くらいなんですってね…。

窓辺で和む
この家でも一緒に暮らしてたんだよね…

ペットの最期と獣医さん


高齢のペットがそろそろ…という時になると、獣医さん達はすぐ安楽死を勧めます。元気になるのは無理でもまだ出来る事があるんではないか、と思っても、一つ一つ引っ張り出すように訊かないとあちらからはあれこれしてくれません。
早く楽にしてあげたいと思い急ぐ飼い主や、年齢的に妥当ならお金をかけたくない飼い主も多いだろうし、お金をかけさせて死んでしまった後のトラブルを獣医さんが防ぎたいのか分かりません。

小人は基本安楽死反対派ですが、あまりに可哀想な状態なら有りかと思います。でも「あまりに可哀想な状態」って、どういう状態?

かるかんを最後に獣医さんに連れて行ったのは8月14日、木曜日でした。
顎が折れていて口の中に腫瘍がいくつも見つかりました。
「こんなに小さい口が折れても出来る事は無いし、これでは食べたくても食べれない。し餓死するのを待つんですか?」と今度こそ安楽死と迫られました。
翌日の15日が祭日、土日は休みなので、その場でしないと月曜まで出来ない、と。それまで苦しませるのは虐待に近いとまで言われました。

歳を取ってこの状態の猫にあれこれ治療は、あまり意味があるとは小人だって思えません。麻酔だってもう負担が多すぎます。
そしてもちろん、無駄に苦しませたくもありません。
しかし、その日の朝も、今も、意識ははっきりあるのに、連れてきて急にこの場で安楽死?
もう家に帰ることもなく、この場で?
先3日病院が休みだという理由で、今?

飼い主は迷います。
一番その子が望む道はどれなのか。
猫って自宅で死にたいと思うのかしら。
注射一本で逝かせて欲しいと願うものなのかしら。
自分の意識のままにあの世に行きたくはないのかしら。

家に帰ってお別れをしてまた来る時間はもうありません。
閉業時間まではまだあるし、一度診察室を出て考えました。
考えたって、かるかんの意向がわかる訳でもありません。

思いついたのは、とりあえず強い痛み止めを貰って、連れて帰って様子を見る事です。やはり安楽死が良いと思う状態になったら、祭日や週末でも緊急を受け付けている大きな動物病院に頼もう。
かるかんがもしすぐに安楽死をしたかったとしたら、こう考える飼い主に巡り会ったことを不運だと思ってもらうしかないと割り切るしか出来ません。

腫瘍摘出以来、右頬が欠けてました。

痛み止めは効いたようでした。
うとうとしてるばかりになりましたが、撫でながら声をかけ続けました。
薬が切れて目が開くと、その目は小人を見つめました。
魂も意識も、そこに確実にありました。

お医者さんにお願いする事なく、それから2日目に旅立ちました。

足の不調がきっかけで獣医さんに行って以来、2ヶ月以上もあれこれ世話と治療をさせてくれたのが何よりもありがたいです。
出来る事は全てさせてもらった気がしています。
最後まで優しい子だったなと思います。

最後の10日間?1週間?は仕事を休んで側にいて、最後の数日はかるかんとソファでずっと一緒でした。おでこ同士引っ付けたまま一緒に眠りました。
最期の瞬間も撫でていました。
間違えた判断だったとは…思えないです。どうだろうね、かるかん?

ペット火葬場
ペット仮葬場

週末は自宅でお通夜をして、週明けに火葬場に行きました。
緑豊かなお庭があって、スタッフもとても暖かい素敵な場所です。
丁度炉も空いていたので、その場で焼いてくれました。
庭に設置されたベンチで樹々の葉音を聞きながら待って、夜叉とお揃いの骨壷を選んで連れて帰りました。

夜叉とかるかん。揃うべき子達があの世に揃ったと思うと、どこかホッとするような気もしました。
小人の番が来るまで、2人で一緒に待っててね。

色違いの骨壷
夜叉とかるかん、並んでます
仲良し猫
一緒に仲良くしてるかい?

終わりに


他人の猫話を聞きたい人はあまりいないのではないかと思いますが…。
長い文をここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

小人の人生で大事な人たちが去っていく時期の終わりに、旅立ったかるかん。それまで本当によく一緒にいてくれたなあ。
あれこれ未熟で十分可愛がってあげる事は出来なかったと思うけれど、本当によく私に付き合ってくれたと感謝しています。
具合が悪くなってからは毎日のようにFacebookで報告をしていて、その時小人は気づかなかったけれど、後で見たら痛々しいほど弱った姿の写真でした。
見てたお友達の方々には申し訳なかったです。
皆さんから声をかけて頂き、時たま「「いいね」も変だしコメントも出来ないけど見てます」と応援の言葉をかけていただいたり。
繁忙期の真っ最中に一言の文句も言わず、休みをくれた職場にも感謝しています。
日本の母も兄も、皆気を遣って見守ってくれる様子でした。

あの時寄り添ってくれた皆と、そしてかるかん、これを読んでくださった方に心から感謝します。

では!

また会おうね
また会えるかなあ…

かるかん、こちらの記事にも出ています。宜しければご覧ください。
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