【前編】ドラム式洗濯機の選び方。臭い・黄ばみと無縁のヨーロッパのドラム式から学ぶ4つのポイントと注意点


こんにちは、小人です。

最近日本ではドラム式の洗濯機が人気のようですね。
買い替えを考えてる方もいらっしゃるのでは。

ドラム式が主流のヨーロッパに住む小人、既に35年ドラム式生活しております。
日本式の洗濯機が羨ましい事もありましたが、最近洗濯について色々調べてたら、ドラム式はつくづく汚れがよく落ちる作りになってるんだなあ、と納得しました。今更ながらありがたいです。<(_ _)>

しかし良く話を聞いてみたら、日本のドラム式とヨーロッパのドラム式が全く違う事に気がついて驚きました。∑(゚Д゚)

嫌な臭いや黄ばみをしっかり防ぐドラム式の特徴を持ってない製品がかなりあるらしい!

日本のドラム式、すごく高いのにそれでは意味あるの…?(TωT)

そこで今回は小人の経験から本来のドラム式の良さを生かした製品の選び方と、洗濯のしたかの違いを配慮した選び方のポイント4選をまとめました。

いつも通り細かくて長いので、前編と後編に分けます。(^^;)


ドラム式洗濯機の選び方。臭い・黄ばみと無縁のヨーロッパのドラム式から学ぶ4つのポイントと注意点【前編】


ヨーロッパの洗濯は洗浄力が高かった

実は小人、約2週間前のシャンプーでしつこい臭いが落ちるってホント?という記事が思ったより人気があるのに少々驚いてます。
ちょうど梅雨と重なったせいもあるかも知れませんが、洗濯物の臭いに悩む方、結構いらっしゃるんですね。

昨年発生したこの悩みに苦労していたのでその記事を書いたんですが、同時に自分でも不思議だったのは、何故それまでそういう悩みが無かったかです。

去年の夏は暑さも忙しさも尋常では無かったので、しつこい臭いが残る事自体は不思議では無いですが、だからって同じくらい汗掻いた事はあったと思うのに。
ずっと普通に洗濯機で洗ってるだけだったのに、何故それまでは問題なく済んで、何故今度はいつまでも解決しないのか。

そう思って色々調べていくうちにヨーロッパの洗濯は基本的に洗浄力が抜群なこととその理由が分かってきました。(そして、何故去年臭いが残ったのかも。)
この点をきっちり抑えたドラム式乾燥機、そしてドラム式特有の注意点を考慮した選び方は次の通りです。

シャンプーで臭いを落とす実験はこちらからどうぞ↓


ドラム式洗濯機の選び方・4つのコツまとめ

💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧
💧1)温水・高温洗濯は必須!                   💧
💧2)予洗い機能があると更に良い!                💧
💧3)容量は正しい洗濯方を考慮して選ぼう!            💧
💧4)乾燥機はどれだけ使う?使える衣類は?            💧
💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧💧

縦型洗濯機とドラム式の違い


まずはドラム式洗濯機を使ったことのない方のために、縦型の洗濯機とドラム式の洗濯の違いを。

縦型の洗濯機

トップラーダーと呼ばれる縦型の洗濯機。日本ではずっと主流でしたね。
これには2種類あります。

日本本来の渦巻き型は川の流れでの洗濯を再現したもの。強い水流で汚れを落とす構造で、水量が多く運動時間も短いのが特徴です。
日本の水は軟水で基本的に汚れ落ちが良いですから、そのままの温度、つまり冷水で洗います。
もう一つ日本でもよく使われているのがアメリカ式の「撹拌型」。
洗濯槽の中心部分に羽がついていて、かき回すように動きます。
アメリカの水は日本とヨーロッパの中間みたいな硬度だそうで、巨大なお鍋を火にかけて水を中温に温めながら、棒でかき回して洗濯したそうです。日本の撹拌式はやはり冷水ですね。

縦型の洗濯機は使用水量が多く、洗濯時間も短め。洗濯が始まってから忘れ物に気づいてもパッと開けてほうり込めるのが便利。洗濯槽が大きいので、大きな洗濯物にも適してます。
洗浄も濯ぎもたっぷり水を使うので洗濯中の再汚染も防げるし、濯ぎもしっかりで安心です。
渦巻き型は洗濯物同士が絡まりやすく、繊維への負担が大きいのが難点だそうです。
もう一つの短所は、冷水では殺菌効果がない事と、頑固な油性の汚れが落ちにくい事です。

トップラーダー



ドラム式は叩き洗い

ヨーロッパで一般的なフロントラーダー、つまりドラム式は、ドラムについた羽で洗濯物を持ち上げて落とす「叩き洗い」。ローマ浴場などで棒で叩いたり足で踏んだりした洗濯の仕方を再現したもの。
ヨーロッパの水は硬水で汚れ落ちが悪いのですが、温めてお湯にすると洗浄力を改善できます。更にペストなどの疫病が流行り煮沸消毒が根付いた事や、冬は日照時間が短く、住宅文化的にも外干しの習慣がないことから日光の消毒効果が望めません。
そこで洗濯機が水を温め、温水から煮沸の20度〜95度までが使える洗濯機になったようです。

叩き洗いの利点は繊維が傷みにくく、水量が少なくて済む事です。
水を熱すには少量の水の方が好都合ですね。
代わりに、時間がかかり、途中で開けられない(一度水を抜いて開けることは可能)という短所があり、水量が少ないだけに濯ぎが今ひとつ心もとない感があります。

ただドラム式といっても、前述のように、日本のとヨーロッパのでは大きな違いがあります

日本のドラム式とヨーロッパのドラム式の違い


日本のドラム式が流行り出したと聞き、同じものかと思っていたら、全く違うのには驚きました。洗浄力を確保する機能が無い事も多く、正直なところ、ドラム式の良い所を抜いて乾燥機がついてるだけなのでは?!と思ってしまいます。
それも、すごい高いのに。

ヨーロッパドラム式の特徴
💧温度設定20度〜95度
💧2度洗い構成のプログラム
このふたつがしっかり汚れを落とすための条件なんです。
日本のドラム式では一部の機種のみについている機能…。これらが大事なんですけれど。。😨
ちなみに乾燥機能はついてないのがデフォルトです。
(蛇足ですが電源は220Vです。これ、意外と大事なポイントかも。)

この他の違い
😧日本の機種は容量が大きい!(欧州: 5kg〜7kgが一般的)
😧日本の機種は使用水量も多い!(欧州: 37l〜50l)
😧日本の機種は早い!(欧州: 洗濯だけで1時間〜2時間強)

ヨーロッパのドラム式の利点
😇汚れ落ちの鉄則、温水洗濯
😇臭いの原因になる菌を除菌できる高温
😇殺菌効果のある煮沸
😇しつこい汚れを落とし再汚染も防げる2度洗いコース
😇化学的な殺菌剤・漂白剤をあまり使わなくて済む
😇自然派のサポニン洗剤の効果も高く環境保護に貢献

ヨーロッパのドラム式の難点
👿衣類による適温を守らないと色落ち・縮みの原因になる
👿消費電力が大きい
👿時間がかかる
👿一度始めると途中で開けられない(一度水を抜いて開けることは可能)
👿騒音・振動が大きめ
👿すすぎ水が少なめで甘いことがある

日本の製品で温水でないものがある事に驚きましたが、大容量なのにも驚きです。11kgなんていうのも!そして日本の洗濯機は水量も多いですね。80L以上のものまで!これは高温でないからこそできる技かも。

こちらでは家族持ちでも5kgの洗濯機を使ってる人が大半。温水洗浄には分け洗いが大事なので、大きすぎると困りますからね。


ドラム式洗濯機を選ぶのに押さえたいポイント

ドラム式洗濯機

1)温水・高温機能は必須!


最低欲しいのは40度と60度!
出来たら是非欲しいのは70度〜95度!

これ無くしてドラム式を購入する意味がないと言えるほど大事なのが温度です。
硬水でなく軟水の日本でも水温が上がるだけでグッと洗浄力がアップします。日本の洗濯のプロ、クリーニング屋さんでも殆ど温水を使っているそうですよ。
水温が高いだけで洗浄力がグッとアップし、臭いも黄ばみも防げます。

冷水で髪を洗ったことありますか?
泡が立ちにくいしすすぎも時間がかかり、汚れが落ちたさっぱり感がどうもいまいち…という経験ありませんか?

温度が高くなると消費電力も上がり、所要時間も長くなります。
小人の洗濯機の例で言えば、30度なら0.4kwで済むのが、60度で1.2kw、95度だと1.90kw。随分違います。
欲しい効果と希望機種の消費電力を比べて選べるよう、温度別の効果を挙げていきます。

最低限欲しいのは40度

洗濯物の汚れの大半は皮脂汚れですが、皮脂は大体40度で溶け出し、落ちやすくなります。お風呂くらいの温度ですね。
そしてこの温度だと洗剤が溶けやすく、酸素系漂白剤が一番効果を出しやすくなります。洗濯水全体にきちんと洗剤が溶け混ざることで繊維に洗剤がよく行き渡り、温度があると繊維が適度にふやけほぐれて汚れが落ちやすい状態に。
洗濯の始めにしっかり落ちて欲しい柔軟剤や芳香剤の残り。これらが繊維をコーティングしていると汚れを落とす妨げになりますが、これもお湯だと落ちやすいです。
また、カビ菌の多くは40度で死滅させられます。

普段から40度で洗っていれば洗濯物の悩みの殆どは解決したようなもの。コーヒーのシミくらいならそれだけでも落ちますよ。

60度・70度で除菌も出来る。しつこい臭いに効果的。

60度、出来れば70度あればしつこい汚れや臭いの原因も取り除けます。

汗の臭いの原因になるモラクセラ菌は60度で動きを止められます。濡れたり湿度が上がるとまた増殖が始まり臭いが甦りますが、60度で洗っていればひと月ほどは活動が止まるそうです。

更に高温の70度大抵の雑菌を殺菌できる温度で、喘息やアトピー、アレルギーの原因になるものも排除できます。
熱に強い種類のカビ菌、ダニ。水虫やペットに寄生すると厄介な原虫の治療中にはタオルやシーツ、ベッドの殺菌が必要ですが、70度の高温洗濯で対応できます。
服についたステロイド、ワセリン、日焼け止め、デオドラントなど、残っていると油分が酸化して油臭さの原因になりますが、この温度でスッキリ落とせます。
夏に大量に掻く皮脂の混ざった脂汗もきちんと落ちます。皮脂が残ると汚れの上をしつこくカバーして、いくら洗濯しても取れない黄ばみになりますが、70度で洗えればこれが防げます。シャツの襟の黄ばみなどですね。

80度と95度の煮沸で衛生は完璧

ここまでの高温はあまり使う事はありませんが、あればあったでもちろん利点はあります。

モラクセラ菌は80度で80%、95度で100%死滅するそうです。常在菌なので、一度死滅させたら永遠に解決という訳にはいきませんが、動きを止める60度より長持ちするのは確実。
そして煮沸ならほとんどの病原菌もしっかり除菌できて、シミや黒ずみも落とすことができ、長く溜まった汚れや洗剤の残りも落ちます。

低温の洗濯でも殺菌剤や漂白剤を使うことも出来ますが、薬品で殺菌をすると耐性が出来る菌があります。どんどん殺菌剤に強くなって、何を使っても殺せない菌が出来たら大問題。煮沸の場合はその心配が不要です。

95度の高温洗濯70度〜90度で時々洗濯をしていれば、洗濯機自身の衛生管理が同時に済むのも利点です。
洗濯槽の裏には洗剤や汚れの残りがたまり、カビたり雑菌が繁殖します。そのままにしておくと洗濯の度に一緒に泳いで、洗濯物が感染するほか、黒いシミがついたりします。
煮沸洗濯では当然洗濯槽の裏にも熱湯が回りますから一石二鳥。
洗濯後に洗濯機を開けておいてしっかり乾かせるなら、こんなに確実で安全な殺菌はありません。
(事情があって閉めなくてはならないなら、中に小さな除湿機・除湿剤を入れておいたり、ドライヤーで大まかな湿度を取るのもおすすめです)


温水洗濯・煮沸洗濯ができれば、洗浄力を上げるための機能は不要と思ってもいいくらいです。

小人が去年まで洗濯物の悩みと無縁だったのは、温度のおかげとしか言いようがありません。
昔は60度と40度で洗ってましたが、省エネの波に乗って40度。そして更に節約してこの2-3年は30度で洗うことが殆どになっていました。
シャンプー洗濯の実験でも痛感しましたが、40度と30度では洗い上がりが全然違います。以前タオルは60度で洗うことが多かったのに、いつも30度では落ちないはずです。

ちなみにシミ抜きも殆どしたことがありません。40度〜60度なら、お醤油、コーヒー、トマトソース、多少の油染みも綺麗に落ちます。油の融解温度は40度〜60度ですしね。
漂白剤が必要なのはパプリカくらい。もちろん血液のシミは、温めたら最後落ちなくなりますけれど。

水道のお湯を使うには注意が必要!
お湯での洗濯自体はお風呂の水を再加熱して使ったり、シャワーを延ばしてみれば届くかもしれませんし、蛇口からホースで繋いでも出来ます。
ドラム式なら洗剤受けから注入すれば済むことですが、適切な水量を判断するのは難しいですね。
40度程度なら問題は少ないかと思いますが、それより高温は高温機能の無い洗濯機には故障の原因になります。内部の部品などが耐熱素材でない事が多いからです。

高温洗濯で考慮しなくてはいけない事


洗濯表示は要チェック

こんなに利点が多い温水・高温洗濯ですが、冷水洗濯には無い考慮しなくてはいけない事がひとつあります。
それは衣類によって洗える最高温度が違う事です。
日本の衣類は原則的に高温で洗うことを想定に作られていないようです

洗濯物に付いている表示にその温度が書いてありますが、うっかり間違えると色落ちや縮む原因になります。繊維自体は温度に耐えても、プリントやスパンコールなどの装飾が痛むことも。
ヨーロッパの衣類なら色物の化繊などは30度までのものが多く、それでも時々の40度なら被害がない事が多いです。木綿100%で色が薄ければ60〜70度の表示がついてますが、小人はタオルやシーツは時々95度で洗ってしまいます。
タオルなら多少縮んでも気にならないですが、シーツも縮んだ気がしません。
日本では超極細繊維のタオルをお使いの方も多いかと思いますが、超極細繊維は化繊です。高温で洗うと機能は失われます。

こういう状況なので、ヨーロッパでは衣類の対応温度と洗いたい温度で分けて洗います。家族でも容量が日本みたいに大きくないのは色物と白物を別々に洗うので一回づつの量が少なくなるからです。
タオル、ベッドリネン、台所用ふきん、ベビー用品などはもっと高温で洗う事があるので、また別の回に分けます。
下着も高温が好ましいところですが、最近は化繊やプリントの下着が多くなっているので限度があります。
エラスタンなどが混ざっている伸縮性のある生地もあまり高温には向きません。

折角洗濯機が対応していても、洗える洗濯物が無ければ役に立ちません。
手持ちの衣類やリネン類をチェックして何度洗いまで可能か確認するのをお忘れなく。
ちなみに乾燥機も温度次第で同じ事が言えます。

洗濯温度は非常に大事なポイントなので、詳しく書いて長くなりました。
ここまでお付き合いくださってありがとうございました。<(_ _)>
一旦ここで切って、残りは後半に続きます。

後半はもっと簡単になりますので、是非続けて読んでくださいね。
質問、感想などありましたらコメント欄に書き込んでいただけると嬉しいです。

では!

合わせてどうぞ↓
▶️何度洗濯しても甦る洗濯物の臭いがシャンプーで解決するってほんと?試してみました。【追記あり】
▶️究極の節約!簡単!完全無料でアトピーやベビーにも安心なエコ洗濯・万能洗剤を作ろう!夏休み自由研究にもおすすめ。




↑応援して頂けると幸せです

ツイッターしています→https://twitter.com/AxxoNa
↓コメント、ご意見、質問、歓迎です。

コメント