こんにちは、小人です。
残暑お見舞い申し上げます。
8月も半ばを過ぎれば中部ヨーロッパの夏はそろそろおしまい。
30度を超える暑い日も、日が落ちれば16度〜18度の涼しい夜が待っています。
今年の7月は涼しい日が多かったし、夏が大好きな土地っ子には物足りない夏だったと思いますが、暑さに弱い小人は一安心です。
ちょっと遅い気もしますが、在住の方や旅行へ来られる方への注意点やおすすめも含めて、今日はオーストリア・ウイーンの夏の様子をお伝えします。
ドイツやチェコなども似た事情があるかと思うので、そちら方面にいらっしゃる方にも参考になればと思います。
中部ヨーロッパの夏休み「8月のウィーン/オーストリア」
音楽好きの方に馴染深い「ウィーン」はオーストリアの首都。
ハプスブルグ家の故郷として歴史好きの方や、旧東欧圏へのアクセスポイントとしてスパイ小説ファンの方にも知られています。
国名にはいまいちピンと来なくても、「ザルツブルグ」や冬季オリンピックが行われる「インスブルック」など、いくつかの街は世界的に有名です。
ウィーンには国際的に重要な機関、国際原子力機関IAEAの本部や国連があり、スキー用品や工業重機、音響機器など、オーストリアは一見目立たないながらも世界に誇れる産業、そして芸術と文化に溢れた観光国でもあります。
ザルツブルグやブレゲンツなどの地方で催される夏の音楽祭は音楽界でも指折りのイベント。
首都ウィーンの国立オペラ座は夏休みになりますが、代わりに市庁舎前の広場の巨大なスクリーンで人気のあったオペラやバレエが日替わりで上映され、所狭しと並んだ飲食店スタンドの飲み物や料理と共に楽しめます。
他のヨーロッパ都市と比べるとマイナーなウィーンですが、ハプスブルグ家のシェーンブルン宮殿、クリムトやシーレの作品が展示されたベルベデーレ宮殿、その他大規模な博物館に美術館に、小さな旧市街は観光客で溢れかえります。
海外の会社とビジネスをする方、「担当者はバカンス中です」と言われた事ありませんか?
ヨーロッパのバカンスは本気です。😅
「人生は100%仕事ではない」がポリシー。
パートナーや家族・友人と、もしくは1人で、仕事から離れて好きなように時間を過ごすのは心身の健康のための人権。自分に対しても相手に対しても「休暇はとって然るべきもの」として尊重されます。
オーストリアの場合年に6週間の有給が法律で決められてるので、最低2週間、人によってはオーバータイム相殺分など含めて2ヶ月も休暇を取ります。
個人経営の会社やお店など、夏季休業にしちゃうところも。
商業主義から忘れ去られたようなオーストリアの人達の生活は「お金がかからない」のが判断基準。物にお金を使うのを嫌い、時々友人と飲みに行く他はひたすら節約です。
そんな彼らの家計にしっかりと組み込まれているのが「休暇費用」で、夏のバカンスは何よりも大事。
7月になると住宅街の人口はぐっと減り、8月になると更に減り、路面の駐車場もがら空きになります。(その分贅沢な停め方をする人も多くてちょっと迷惑ですが。)
さて、街を脱出した人々はどこに行ったのでしょう。
都市観光より何もしない型のリゾートが主で、スペイン、クロアチア、ギリシャ、カナリヤ諸島あたりでひたすらのんびり。陸続きを利用してトスカーナを回ったり。
学生だってアルバイトで貯めたお金でヨーロッパ都市を訪ねたり、友達と旅行、家族で旅行、と夏の間に数回旅に出る人も珍しくありません。2ヶ月もの長期間アジアや南アメリカを回ってきたりもします。
運よくご先祖から相続した家だったり、街中で生活しながら週末ごとに訪れて自分で郊外に家を建てる人も。日本風に言えば「別荘」ですが、彼らは「田舎の家」と呼びます。ゆくゆくは街中のアパートは手放してこちらを本宅にするからでしょう。
近隣の国からの「外国人労働者」が多い国ですが、彼らも国に帰ってゆっくり骨休め。故郷に家を建てていて、ウィーンでは清掃や厨房の下働きをしていても、故郷に帰ればプール付きの豪邸を持ってたりしますよ。EUに加入した事でウィーンに定住してる人も増えて2世の時代になり、帰省しない人も増えているようです。
シュレーバーガルテンはいわば街中の「小型別荘地」。
古くは市が庶民の自家農園用に設けたものですが、現代では街に住む庶民の夏の別荘になっています。
Von Wolkenkratzer - Eigenes Werk, CC BY-SA 4.0, Link
Von Ziko van Dijk - Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link
シュレーバーガルテンは大きな土地を簡単なフェンスで分けた「庭」で、白雪姫の家みたいな小さな建物を建てるのが許されています。夏が近づいて解禁になると住人が荷物をまとめて同じ市内からお引越し。
それぞれ120m2〜数100m2の「家付き庭」が10数戸〜数10戸まとまっているので、街中とは思えない静けさ。通勤に不便を感じないまま普段と違う住まいと大きな庭でゆったりと暖かい季節が楽しめます。
昔は一年を通じての居住は許可されておらず、暖房設備も無かったですが、最近は通年住むための家として分譲されているところもあります。
賃貸の場合の年間費用は管理費、水道、電気代を含む€500-€1500とのことで、バカンスに行くよりずっと安いかもしれませんね。
ウィーンの学校の夏休みは7月と8月の2ヶ月近く。
学年の初めが9月なので夏休みの宿題もなく、子供達は休みを満喫することができます。
しかし共働きが多い国なので、子供達の長い休みは働く親にはちょっと微妙なところ。市も子供達のリクリエーションを色々準備していますが、人気なのはサマーキャンプ。数週間単位で田舎に行き、午前中は補習授業、午後は山なり湖なりで遊ぶ合宿があります。都合に合わせて期間を選べるので、親の休暇に合わせて帰宅して一緒に旅行に行ったりもできて便利です。
スキー合宿用の山の上の施設や古いお城を利用した宿舎を利用して、充分夏休み気分が味わえます。
小人がヨーロッパに来たのが7月初めだったので、6週間こういう合宿に参加してドイツ語を学びました。
しかし。成績が悪かった子は遊んでばかりいられません。
新しい学年が始まる前に追試が待っていて、これに落ちると一年落第!
泣きながら必死でお勉強です。
街に残った人たちにも沢山楽しみはありますよ。
カフェやレストランの野外席は大人気。
皆さん、「エアコンと木陰の席、どちらがいい?」と聞いたら「木影!」と答える程自然の空気が好きです。
暑い日の晩は壁に囲まれた家より、風が通る野外のお店の方が気持ちがいいですよね。まあ、夜が涼しいとは限りませんが。
野外席に大喜びなのは喫煙者でもあります。
たばこを吸う人にとっては、ビール片手にゆっくりおしゃべりができるのは夏だけ。カフェやレストランに居座ってゆっくり新聞を読んだり、友達と延々をおしゃべりをするのが伝統のお国柄ですが、たばこが吸えないと皆さっさと帰ってしまいます。
お料理の儲けが少ない飲食店業は、長っ尻の客に沢山飲み物を注文してもらってなんぼ。禁煙法で一番打撃が大きかったのは飲食店ではないでしょうか。
木陰の中庭があるか、路上に席を設けられるか、は飲食店にとっては死活問題です。室内しか席がない店は、さっさと夏季休業にしてしまったりします。
バーベキューも大人気です。
お庭がある一軒家で友人を招待したり、皆で持ち寄ったり。
アパートの人もベランダがあれば出来ないこともないですが、密集してる都市部では匂いと話し声に気を使うからか、あまり見かけません。
たまに「あ、やってるな」と思うことがある程度です。まあそもそも、アパート暮らしの人は週末は郊外の家でバーベキューをしてるんでしょうけれど。
郊外に家のある人は週末は当然そちらです。自分の家といえど、毎週行ったり来たりは面倒ではないのでしょうかねぇ…。
街にいる人は当然アウトドア。郊外に山歩きに行ったり、ドナウ川で遊泳をしたり。
チャンスさえあれば自然を楽しみに行くのが、オーストリア風の人生の楽しみ方みたいですね。
街に住む人がこの時期気をつけるべきことがいくつかあります。
この数年は地下鉄の修復作業や新路線の設置で特に多いですが、毎夏市電の線路やエレベーターの修理、それに道路工事も沢山あります。
いつもの調子で出かけると、ルートがいつもと全く違うとか、地下鉄の休止区画(代替バス有り)などで思わぬ遠回りになったりするので、時間に余裕を持って出かけるか、あらかじめ調べておきましょう。
▶️ウィーン交通局運行状況(ドイツ語)・Wiener Linien Betriebsinfo
個人業の店や電気・水道・ガス屋さん、医師、獣医さんからお役所まで変更があります。小人が税務署に行ったら夏は午前中だけになってた事がありました。(^▽^;)
特に、特定の担当がいる用事(銀行、保険など)は休暇予定を早いうちに聞いてお来ましょう。
留守が多い夏は空き巣のシーズンでもあります。
ドアの鍵は大丈夫ですか?
古建築の場合は旧式でシンプルなことも多く、シリンダーごとすっぽり抜くことができたり、戸板ごと簡単に外せます。防犯対策がされてない場合、住人の担当なことが多いので、確認しておいてください。
空き巣が入りやすいと言われてるのは地階の部屋ですが、上の方の階でも開けやすい家に入るのでチェックしておいた方がいいですよ。
ドアノブに広告紙を配達される人は、友達かご近所で信用できる人に時々回収をお願いしておくと良いです。溜まっていたら一目で旅行中とわかりますから。
家財保険に加入してなければ、この機会に検討を。留守中の事故にも安心です。
小人は観光スポットに詳しくないですが、土地の人の好きなものをいくつかお勧めします。
本流のドナウには敵わないとはいえ、近年遊歩道に沢山お店ができて人気です。
遊歩道を散策して、気に入った雰囲気のお店に入ってみてください。
大きなテラスがあるお洒落な雰囲気のレストラン「サマーステージSummer Stage」や砕けた雰囲気のプール付きの船「バーデシフ・ヴィーンBadeschiff Wien」など、値段もメニューも色々。ビーチサンダルでふっと寄れるセルフサービスのお店から、グルメに人気のハイクラスなレストランまで様々な趣向のお店が並んでいます。
子供から老人まで大好きなアイスクリーム。
イタリア本場のアイスクリームを手作りしたEissalonが街中にあります。
最近は完全に手作りとは限りませんが、市販のアイスクリームと違った濃厚な味だったり、沢山の種類がガラスケースに並びます。
ガイドさんやホテルで評判の店を教えて下さるでしょうから、話のネタにどうぞ。
ちなみにこれらアイスクリーム屋さんは、冬は毛皮のお店になってたりします。
8月末頃出回るモストとシュトゥルムは、短期間だけ楽しめる土地っ子の楽しみです。
ワインを作る過程から「ちょっと失敬」したもので、モストはワイン用に絞ったブドウジュース。ウィーンの場合は早く出荷されるのでアルコール分はありませんが、地方によっては少し発酵を始めたものもこう呼ばれます。
発酵が始まったモストがシュトゥルムで、発酵プロセスで発生する自然の炭酸分があります。若くて甘い間はアルコールは4%程ですが、あれよと言う間に発酵が進んで糖分がアルコールになり11%程になります。ここまで発酵していれば、甘味が消えて渋い目の味になります。
発酵中のものを出荷するので、お店にあるうちにどんどん味が変わります。
赤と白がありますが、ちょっと凝ったお店だとシュタイヤーマルク州特産のロゼ・シルヒャーSchilcher、古来の種類の葡萄でちょっと珍しいウフードラーUhudlerなどのシュトゥルムも揃っているかも。
入荷してればテーブルのスタンドなどに書かれていますので、見つけたら是非飲み比べてみてください。
ただし、飲みすぎると嵐(=シュトゥルム)のような下り腹になると言われてますのでご注意を。
以前の記事で書いた旅行荷物のおすすめから、特に防寒具はお忘れなく。この時期、日没後や雨の時は、かなり冷え込みます。
▶️中部ヨーロッパの夏は6月から8月。猛暑に劇寒に土砂降りに困らない旅行荷物のお勧め7選
ちょっと夏のヨーロッパの雰囲気が伝わったでしょうか。
具体的にはウィーンの例を出しましたが、中部ヨーロッパでは似たようなところが多いと思います。
もう夏もわずかですが、残る残暑を楽しんでくださいね。
コメント、ご意見、質問、歓迎です。
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ちょっと遅い気もしますが、在住の方や旅行へ来られる方への注意点やおすすめも含めて、今日はオーストリア・ウイーンの夏の様子をお伝えします。
ドイツやチェコなども似た事情があるかと思うので、そちら方面にいらっしゃる方にも参考になればと思います。
中部ヨーロッパの夏休み「8月のウィーン/オーストリア」
夏のオーストリア・ウィーンは観光地
音楽好きの方に馴染深い「ウィーン」はオーストリアの首都。
ハプスブルグ家の故郷として歴史好きの方や、旧東欧圏へのアクセスポイントとしてスパイ小説ファンの方にも知られています。
国名にはいまいちピンと来なくても、「ザルツブルグ」や冬季オリンピックが行われる「インスブルック」など、いくつかの街は世界的に有名です。
ウィーンには国際的に重要な機関、国際原子力機関IAEAの本部や国連があり、スキー用品や工業重機、音響機器など、オーストリアは一見目立たないながらも世界に誇れる産業、そして芸術と文化に溢れた観光国でもあります。
ザルツブルグやブレゲンツなどの地方で催される夏の音楽祭は音楽界でも指折りのイベント。
首都ウィーンの国立オペラ座は夏休みになりますが、代わりに市庁舎前の広場の巨大なスクリーンで人気のあったオペラやバレエが日替わりで上映され、所狭しと並んだ飲食店スタンドの飲み物や料理と共に楽しめます。
他のヨーロッパ都市と比べるとマイナーなウィーンですが、ハプスブルグ家のシェーンブルン宮殿、クリムトやシーレの作品が展示されたベルベデーレ宮殿、その他大規模な博物館に美術館に、小さな旧市街は観光客で溢れかえります。
シェーンブルン宮殿 |
住宅街はガラ空き?!
海外の会社とビジネスをする方、「担当者はバカンス中です」と言われた事ありませんか?
ヨーロッパのバカンスは本気です。😅
「人生は100%仕事ではない」がポリシー。
パートナーや家族・友人と、もしくは1人で、仕事から離れて好きなように時間を過ごすのは心身の健康のための人権。自分に対しても相手に対しても「休暇はとって然るべきもの」として尊重されます。
オーストリアの場合年に6週間の有給が法律で決められてるので、最低2週間、人によってはオーバータイム相殺分など含めて2ヶ月も休暇を取ります。
個人経営の会社やお店など、夏季休業にしちゃうところも。
商業主義から忘れ去られたようなオーストリアの人達の生活は「お金がかからない」のが判断基準。物にお金を使うのを嫌い、時々友人と飲みに行く他はひたすら節約です。
そんな彼らの家計にしっかりと組み込まれているのが「休暇費用」で、夏のバカンスは何よりも大事。
7月になると住宅街の人口はぐっと減り、8月になると更に減り、路面の駐車場もがら空きになります。(その分贅沢な停め方をする人も多くてちょっと迷惑ですが。)
停まってるのは2台だけ… |
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人々はどこへ消えるのか
さて、街を脱出した人々はどこに行ったのでしょう。
バカンス旅行
ひとつは当然バカンス旅行です。都市観光より何もしない型のリゾートが主で、スペイン、クロアチア、ギリシャ、カナリヤ諸島あたりでひたすらのんびり。陸続きを利用してトスカーナを回ったり。
学生だってアルバイトで貯めたお金でヨーロッパ都市を訪ねたり、友達と旅行、家族で旅行、と夏の間に数回旅に出る人も珍しくありません。2ヶ月もの長期間アジアや南アメリカを回ってきたりもします。
「田舎の家」と帰省
一見つましい生活をしていても、田舎にもう一つ家を持っている人がたくさんいます。運よくご先祖から相続した家だったり、街中で生活しながら週末ごとに訪れて自分で郊外に家を建てる人も。日本風に言えば「別荘」ですが、彼らは「田舎の家」と呼びます。ゆくゆくは街中のアパートは手放してこちらを本宅にするからでしょう。
近隣の国からの「外国人労働者」が多い国ですが、彼らも国に帰ってゆっくり骨休め。故郷に家を建てていて、ウィーンでは清掃や厨房の下働きをしていても、故郷に帰ればプール付きの豪邸を持ってたりしますよ。EUに加入した事でウィーンに定住してる人も増えて2世の時代になり、帰省しない人も増えているようです。
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庶民の街中の別荘シュレーバーガルテン「Schrebergarten」
シュレーバーガルテンはいわば街中の「小型別荘地」。
古くは市が庶民の自家農園用に設けたものですが、現代では街に住む庶民の夏の別荘になっています。
Von Wolkenkratzer - Eigenes Werk, CC BY-SA 4.0, Link
Von Ziko van Dijk - Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link
シュレーバーガルテンは大きな土地を簡単なフェンスで分けた「庭」で、白雪姫の家みたいな小さな建物を建てるのが許されています。夏が近づいて解禁になると住人が荷物をまとめて同じ市内からお引越し。
それぞれ120m2〜数100m2の「家付き庭」が10数戸〜数10戸まとまっているので、街中とは思えない静けさ。通勤に不便を感じないまま普段と違う住まいと大きな庭でゆったりと暖かい季節が楽しめます。
昔は一年を通じての居住は許可されておらず、暖房設備も無かったですが、最近は通年住むための家として分譲されているところもあります。
賃貸の場合の年間費用は管理費、水道、電気代を含む€500-€1500とのことで、バカンスに行くよりずっと安いかもしれませんね。
子供達の夏休み
ウィーンの学校の夏休みは7月と8月の2ヶ月近く。
学年の初めが9月なので夏休みの宿題もなく、子供達は休みを満喫することができます。
しかし共働きが多い国なので、子供達の長い休みは働く親にはちょっと微妙なところ。市も子供達のリクリエーションを色々準備していますが、人気なのはサマーキャンプ。数週間単位で田舎に行き、午前中は補習授業、午後は山なり湖なりで遊ぶ合宿があります。都合に合わせて期間を選べるので、親の休暇に合わせて帰宅して一緒に旅行に行ったりもできて便利です。
スキー合宿用の山の上の施設や古いお城を利用した宿舎を利用して、充分夏休み気分が味わえます。
小人がヨーロッパに来たのが7月初めだったので、6週間こういう合宿に参加してドイツ語を学びました。
しかし。成績が悪かった子は遊んでばかりいられません。
新しい学年が始まる前に追試が待っていて、これに落ちると一年落第!
泣きながら必死でお勉強です。
街居残り組の過ごし方
街に残った人たちにも沢山楽しみはありますよ。
カフェやレストランの野外席は大人気。
皆さん、「エアコンと木陰の席、どちらがいい?」と聞いたら「木影!」と答える程自然の空気が好きです。
暑い日の晩は壁に囲まれた家より、風が通る野外のお店の方が気持ちがいいですよね。まあ、夜が涼しいとは限りませんが。
野外席に大喜びなのは喫煙者でもあります。
たばこを吸う人にとっては、ビール片手にゆっくりおしゃべりができるのは夏だけ。カフェやレストランに居座ってゆっくり新聞を読んだり、友達と延々をおしゃべりをするのが伝統のお国柄ですが、たばこが吸えないと皆さっさと帰ってしまいます。
お料理の儲けが少ない飲食店業は、長っ尻の客に沢山飲み物を注文してもらってなんぼ。禁煙法で一番打撃が大きかったのは飲食店ではないでしょうか。
木陰の中庭があるか、路上に席を設けられるか、は飲食店にとっては死活問題です。室内しか席がない店は、さっさと夏季休業にしてしまったりします。
バーベキューも大人気です。
お庭がある一軒家で友人を招待したり、皆で持ち寄ったり。
アパートの人もベランダがあれば出来ないこともないですが、密集してる都市部では匂いと話し声に気を使うからか、あまり見かけません。
たまに「あ、やってるな」と思うことがある程度です。まあそもそも、アパート暮らしの人は週末は郊外の家でバーベキューをしてるんでしょうけれど。
郊外に家のある人は週末は当然そちらです。自分の家といえど、毎週行ったり来たりは面倒ではないのでしょうかねぇ…。
街にいる人は当然アウトドア。郊外に山歩きに行ったり、ドナウ川で遊泳をしたり。
チャンスさえあれば自然を楽しみに行くのが、オーストリア風の人生の楽しみ方みたいですね。
居住者用夏の注意事項
街に住む人がこの時期気をつけるべきことがいくつかあります。
1)交通機関のルート変更
人が少なく野外作業のしやすい夏は工事のシーズンでもあります。この数年は地下鉄の修復作業や新路線の設置で特に多いですが、毎夏市電の線路やエレベーターの修理、それに道路工事も沢山あります。
いつもの調子で出かけると、ルートがいつもと全く違うとか、地下鉄の休止区画(代替バス有り)などで思わぬ遠回りになったりするので、時間に余裕を持って出かけるか、あらかじめ調べておきましょう。
▶️ウィーン交通局運行状況(ドイツ語)・Wiener Linien Betriebsinfo
2)営業時間変更、休業に注意
各種事務所や営業所も営業時間が短縮になったり、どーんと休業になったりするので注意。個人業の店や電気・水道・ガス屋さん、医師、獣医さんからお役所まで変更があります。小人が税務署に行ったら夏は午前中だけになってた事がありました。(^▽^;)
特に、特定の担当がいる用事(銀行、保険など)は休暇予定を早いうちに聞いてお来ましょう。
3)空き巣対策
留守が多い夏は空き巣のシーズンでもあります。
ドアの鍵は大丈夫ですか?
古建築の場合は旧式でシンプルなことも多く、シリンダーごとすっぽり抜くことができたり、戸板ごと簡単に外せます。防犯対策がされてない場合、住人の担当なことが多いので、確認しておいてください。
空き巣が入りやすいと言われてるのは地階の部屋ですが、上の方の階でも開けやすい家に入るのでチェックしておいた方がいいですよ。
ドアノブに広告紙を配達される人は、友達かご近所で信用できる人に時々回収をお願いしておくと良いです。溜まっていたら一目で旅行中とわかりますから。
家財保険に加入してなければ、この機会に検討を。留守中の事故にも安心です。
ウィーン観光に来たらこれがおすすめ
小人は観光スポットに詳しくないですが、土地の人の好きなものをいくつかお勧めします。
水辺のカフェバーとレストラン
ウィーンの中心街に流れるドナウ運河。本流のドナウには敵わないとはいえ、近年遊歩道に沢山お店ができて人気です。
遊歩道を散策して、気に入った雰囲気のお店に入ってみてください。
大きなテラスがあるお洒落な雰囲気のレストラン「サマーステージSummer Stage」や砕けた雰囲気のプール付きの船「バーデシフ・ヴィーンBadeschiff Wien」など、値段もメニューも色々。ビーチサンダルでふっと寄れるセルフサービスのお店から、グルメに人気のハイクラスなレストランまで様々な趣向のお店が並んでいます。
アイスクリーム
子供から老人まで大好きなアイスクリーム。
イタリア本場のアイスクリームを手作りしたEissalonが街中にあります。
最近は完全に手作りとは限りませんが、市販のアイスクリームと違った濃厚な味だったり、沢山の種類がガラスケースに並びます。
ガイドさんやホテルで評判の店を教えて下さるでしょうから、話のネタにどうぞ。
ちなみにこれらアイスクリーム屋さんは、冬は毛皮のお店になってたりします。
モストMostとシュトゥルム Sturm
8月末頃出回るモストとシュトゥルムは、短期間だけ楽しめる土地っ子の楽しみです。
ワインを作る過程から「ちょっと失敬」したもので、モストはワイン用に絞ったブドウジュース。ウィーンの場合は早く出荷されるのでアルコール分はありませんが、地方によっては少し発酵を始めたものもこう呼ばれます。
発酵が始まったモストがシュトゥルムで、発酵プロセスで発生する自然の炭酸分があります。若くて甘い間はアルコールは4%程ですが、あれよと言う間に発酵が進んで糖分がアルコールになり11%程になります。ここまで発酵していれば、甘味が消えて渋い目の味になります。
発酵中のものを出荷するので、お店にあるうちにどんどん味が変わります。
赤と白がありますが、ちょっと凝ったお店だとシュタイヤーマルク州特産のロゼ・シルヒャーSchilcher、古来の種類の葡萄でちょっと珍しいウフードラーUhudlerなどのシュトゥルムも揃っているかも。
入荷してればテーブルのスタンドなどに書かれていますので、見つけたら是非飲み比べてみてください。
ただし、飲みすぎると嵐(=シュトゥルム)のような下り腹になると言われてますのでご注意を。
以前の記事で書いた旅行荷物のおすすめから、特に防寒具はお忘れなく。この時期、日没後や雨の時は、かなり冷え込みます。
▶️中部ヨーロッパの夏は6月から8月。猛暑に劇寒に土砂降りに困らない旅行荷物のお勧め7選
ちょっと夏のヨーロッパの雰囲気が伝わったでしょうか。
具体的にはウィーンの例を出しましたが、中部ヨーロッパでは似たようなところが多いと思います。
もう夏もわずかですが、残る残暑を楽しんでくださいね。
コメント、ご意見、質問、歓迎です。
では!
↑応援して頂けると幸せです
ツイッターしています→https://twitter.com/AxxoNa
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